支払基金へ要請「2等級支部内昇格を」

 厚生労働省は、2012年10月から労働政策審議会雇用均等分科会において、均等法の見直しを進め、昨年9月の分科会報告とりまとめで、全基労の相談事例を踏まえ、「間接差別」禁止規定に昇格する時に転勤要件を課すことを加えました。12月20日均等分科会が答申、24日「男女雇用機会均等法施行規則を改正する省令」を公布、今年7月から施行することになりました。
 これを受けて、全労連女性部・特殊法人労連・全基労は1月27日、社会保険診療報酬支払基金に、これまで課長相当職に昇格するとき、実質的に転居を伴う転勤を要件としてきたことが禁止されるものであり、支部内で昇格させるよう強く求めました。支払基金の職場は男女比が半々で、係長相当職は男性6に女性4の比率ですが、課長相当職は9対1と圧倒的に男性が多くなっています。転居を伴うために、課長相当職の単身赴任率も6割近くと高くなっています。
  支払基金は全国で社会保険と公費医療の審査支払業務を行っており、基本業務に大きな差異はありません。均等法の指針改正を契機に、男女平等で単身赴任の少ない働きやすい職場を実現することが求められています。

 

男女雇用機会均等法の「間接差別」について

 「世界の女性の憲法」ともいわれる女子差別撤廃条約は、1979年国連総会で採択され、85年日本も批准しました。女性に対する差別が広く存在していることから、新たな理念に基づく積極的な取り組みが必要とされ、締約国の義務として86年に日本は男女雇用均等法を制定しました。
女子差別撤廃条約1条では、女性に対する差別とは、性に基づく区別、排除、制限で、女性が労働権を含む基本的人権や自由を認識し、共有・行使することを害し、無効にする効果や目的を有するものとされています。性に基づく区別も差別につながること、差別する目的がなくてもその効果がある行為は差別だと規定しています。2条では、現実の差別を撤廃するために、すべての適切な措置をとることを、締約国に義務付けています。
日本政府は、国連の女性差別撤廃委員会やILO(国際労働機関)から、再三にわたり、男性中心の基準によって職場のシステムが形成されている等、「見えない差別=間接差別」の禁止規定を国内法に取り込むよう勧告されていました。2006年改正で、厚生労働省令の指針に「間接差別」禁止の限定列挙(@募集・採用にあたって身長・体重・体力を要件とすること、Aコース別雇用管理における総合職の募集・採用にあたって、転居を伴う転勤に応じることを要件とすること、B昇進にあたり、転勤の経験があることを要件とすること)が規定されました。
しかし、その範囲が狭いため国会でも議論の的になり、今年7月から指針改正で、「すべての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、合理的な理由がなく、転勤要件を設けることは、間接差別に該当する」ことになりました。

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