国民のための事業は守られるか。
職員の雇用は継承されるか。
疑問を残して、独立行政法人通則法一部改正法案が成立

 6月6日、参議院本会議で独立行政法人通則法の改定法案が可決・成立した。同法案は98の独法に「横串」を指すとして、法人の事業の定義・主務省との関係・評価委員会の設置等を定める法律である。今回の改定の中心は、主務大臣の権限を強め、独立行政法人の中期目標期間終了時に「廃止」を含めた見直しを行うことにしている点である。さらに、総理大臣に任命された評価委員会が、主務大臣の判断に対し、意見を勧告し、総理大臣にも意見を具申できるなど、評価委員会の権限を強化している点である。職員として看過できないのは、「廃止・統廃合・民営化」等に際し、職員が「離職を余儀なくされること」を想定している点である。
 国会質疑の中で、稲田行革担当大臣は「整理解雇」に該当することを認め、整理解雇の4要件(@整理解雇をしなければならない経営上の真の必要性、A解雇を回避するための努力を十分尽くしたかどうか、B被解雇者の人選について客観的合理的な基準を設け公正に適用していること、C会社が労働者・労働組合と再建策について十分協議を尽くしたかどうか)を各法人が行うだろうと答弁した。
 「廃止」を決めるのは、主務大臣及び評価委員会であり、法人の理事長ではないにもかかわらず、雇用責任は理事長に押し付けている。しかし、主務大臣に任命された理事長が職員の雇用を守れるだろうか、疑問である。
参考人質疑で自由法曹団の平井哲史弁護士は、「現行法では中期目標終了時期に『所要の措置を講じる』としているが、改定案では『廃止』を真っ先に挙げている。また、通則法の定義では独法は民間ではできない業務を担うとしながら、昨年末の閣議決定では民間開放をうたっているのは矛盾。法人の改廃は国の判断であり、通則法に雇用継続の手当をすべき。離職を余儀なくされる場合の手当は、再就職あっせんのみで雇用承継の補償が無い。事業を引き継ぐ場合は雇用を承継することを明文化すべき。法人により異なるのでは合理性を欠く」と述べている。
 また、衆参の内閣委員会では各党議員から、難病治療やへき地医療に貢献している国立病院の必要性、震災復興で大きな役割を果たしてきた都市再生機構の重要性、パイロット育成に必要な航空大学校、研究開発法人への期待が述べられた。独法事業と法人の「廃止」を想定した改定法案の成立で、今後国民的な事業の廃止・縮小が行われないよう運動を強めていこう。

(c)2001 Tokhoren.com. All rights reserved.