全労連第27回定期大会における
特殊法人労連代議員(岡村事務局次長)の発言

 特殊法人労連の代議員の岡村です。独立行政法人通則法改悪問題と、「奨学金の会」の活動について発言します。

 通常国会において、独立行政法人通則法一部改正法案が、衆参合わせ約22時間の審議で可決・成立しました。5月中旬から6月上旬にかけて、衆議院と参議院の内閣委員会で審議されました。その審議過程を見ても、独法通則法を変えることで、国民のための事業が守られなくなるのではないか、職員は「離職を余儀なくされるのではないか」、不安になる状況だけが残されました。連合は通則法改定を「評価する」としていますが、国会審議の中で、「大規模なリストラ」について行革事務局からの答弁もあり、統合を契機に、またその後の「合理化」の段階での「離職を余儀なくされる」整理解雇が発生することを否定することはできません。
 「官から民へ」「小さな政府」の「構造改革」路線の中で特殊法人が独法化されたことを私たちは「民営化の一里塚」であると批判してきましたが、今回の通則法の改悪で、独法事業や法人の縮小・廃止について主務大臣と独立行政法人評価委員会の権限が強化され、よりスピードが速まることを予想しています。
 特殊法人労連は国公労連と共同で院内集会を開き、公務部会の独法改悪に反対する院内集会への参加や、衆参内閣委員への議員要請等を行ってきました。
 賃金・労働条件・組織拡大についてですが、独法や特殊法人にも内閣の要請によって国公準拠の「給与減額特例措置」が押し付けられました。その期間は国家公務員と同じか、3カ月程度短縮できた組合もあります。国家公務員の賃金削減は独法・特殊法人の職員にも直結しており、「給与制度の総合的見直し」にも反対していきます。
 昨年、臨時職員の夏期休暇を1日獲得した単組(学支労)は、今年は2日に延ばし、臨時職員から喜ばれています。
 組織拡大では、実数が大きく増えたわけではありませんが、給与制度の大改悪の問題を契機に都市労の組合員拡大が進み、全基労では北海道支部が作られました。

 次に、「奨学金の会」の活動に関して発言します。世界一高い学費負担に卒業後高額の借金になる奨学金、その返済が見通せない雇用の破壊が、いま若者の3重苦と言われています。この春私たちの組合に寄せられた返還者からの手紙を紹介します。「私は高校・大学と奨学金を借りました。卒業後うつ病を患い、20代に安定した職に就けずに返済猶予の5年を使い切り、機構から法的処理に入る「最後通告」が届きました。現在は月5千円〜1万円を返済しています。昨年11月に某ドラッグストアに採用されましたが、パート時給700円、うつの影響でフルタイムで働けず、月7〜8万円の収入です。私は37才になり、完済までいつまでかかるか判りません。若い人が社会人になりいきなり何百万円もの借金を背負ってスタートしないためにも給付制奨学金制度が早く実現することを願っています」。
 私たちの職場にも非正規労働者が増え、過半数を占めています。返還猶予申請書の審査をする非正規労働者が自分の借りた奨学金の返済ができずに、自分の猶予申請を出している現実があります。
 この会は第一次安倍内閣の閣議決定により、奨学金の金利が青天井にされようとした2007年12月に、教育無償化をすすめ、給付制奨学金を実現しようと全労連・全教、学生や院生、父母のみなさんと一緒に結成しました。以来毎年請願署名に取り組み、各単産・地域労連の仲間から寄せられた署名は累計で20万筆を超えました。この運動の中で2年前に政府が33年間無視し続けてきた国際人権規約の中等・高等教育の無償化条項の留保を撤回し、日本が教育無償化をすすめる国になりました。私たちが求めてきた奨学金返済困難者の救済についても、この4月から奨学金延滞金の利率を年利10%から5%に軽減し、返還猶予期間の上限を5年から10年に延長するなどの制度改善を行い、大学までの給付制奨学金導入の検討もすすんでいます。
 しかし一方で、安倍内閣は昨年末の臨時国会で高校無償化を廃止し、所得制限を導入しました。私立大学は消費税増税によりこの4月から授業料が上がり、「骨太方針2014」には国立大学の授業料を上げたところに運営費交付金を重点配分するという、各大学に授業料値上げを競争させる逆行ぶりを見せています。さらに奨学金制度の改善をめぐり5月に行われた文科省の審議会では、財界出身の委員から奨学金の延滞者情報を活用し、防衛省が2年間のインターンを募集するという経済的徴兵制度の導入をすすめよと、防衛省もやる気になっているという発言がありました。
 教育無償化のUターンも、戦争する国づくりに手をかす奨学金情報の流出も絶対に許すことはできません。
 だれもが権利として安心して学ぶことができるために、教育無償化をすすめ、奨学金は有利子から無利子へ、貸与から給付に転換させる。その運動を広範な労働者・国民と一緒に進めていく、その決意を申し上げて発言を終わります。

 

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