男女雇用機会均等法の省令改正と政府関係法人の現実

 いま、特殊法人労連で重要視しているのは、男女雇用機会均等法の「間接差別」禁止要件が改正されて、今年7月に施行になったことです。
 第127回労働政策審議会雇用均等分科会(2013年6月24日)、「雇用均等室における行政指導等の状況」として、参考資料に「間接差別」問題で労働者側からの相談例を載せています。「昇格に伴って転勤することを昇格時の要件とするもの/管理監督者となる○等級への昇格に当たり、転勤とすることが要件とされている。労働組合の資料によれば、職員全体に占める女性比率は50%を超えているにもかかわらず、管理監督者となる○等級以上の職員の女性比率は10%程度となっている。昇格に必要な在職年数は満たしているのに、転勤できないことを理由に昇格させないことは不当であり、企業に対して指導してほしい」
 これは厚生労働省管轄の社会保険診療報酬支払基金の事例です。当該の労働組合である全国社会保険診療報酬支払基金労働組合(全基労)が、いくつかの県の労働局に相談に行ったことから、参考資料として審議会に提出されました。
 そして、審議会では労働側委員2名のべ5回にわたって、これまで転勤経験があるかどうかで昇格させることは「間接差別」に当たるとしてきた要件に著しく類似しており、省令改正に当たっては「昇格時転勤要件」も「間接差別」として禁止すべきと主張されました。昨年12月に「相談事例を踏まえ」、「昇格時転勤要件」も間接差別に当たるから禁止することが決まり、今年7月1日から施行されました。
 支払基金では転勤しない「支部内昇格」者が少数ですが在籍しています。4月人事では2等級昇格者31人中、「支部内昇格」は3人で、女性職員でした。支払基金では2等級は「副長」ポストで、その上が「課長」であり、転勤経験が必要なポストではありません。昇格要件は2等級の下の「係長」までは在職年数であり、「副長」も同様とすべきです。結果として、女性職員は昇格できず、2等級以上の男性職員の約半数は単身赴任で、長い人は20年も単身赴任を続けていると言います。
 男性も女性も働きやすい職場にしていくため、全基労と特殊法人労連は厚生労働省と支払基金に8月28日申入れを行いました。安倍首相は「女性の活用」を言いますが、政府関係法人の現実はそれとは程遠いのです。一緒に「間接差別」問題で意見交流してきた、みずほ銀行の女性労働者は6月末に昇格しました。みずほ銀行にできて支払基金にできないわけがありません。「女性の活用」をする気があるかどうか、10月人事に向けて要求し続けたいと思います。

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