機関紙コラムより 「21世紀の姥捨山」か?!

 「21世紀の姥捨(うばすて)山」だと思った。4日に民間有識者でつくる「日本創成会議(座長・増田寛也元総務相)」が首都圏から北海道など地方への高齢者の移住を進める提言を発表した。2015年には東京と周辺の3県で高齢化が進み、介護施設などが約13万人分不足するから、地方に移住せよというものだ▼日本創成会議は昨年、全国で896の市区町村が人口減少によって消滅する「消極可能性都市」を発表した。今度は、介護の必要な高齢者を地方に送り出せと言っている▼しかし、現状の数字をもとにシュミレーションしているだけの提言に意味はあるのか。人口減少の原因である、地方に仕事が少ないことや労働環境が厳しくて子どもを産めない問題の解決策、高齢者が住みなれた土地で暮らすための政策を提言してこそ、有識者ではないのか、と思う▼問題は、政府が地方創生戦略で新型交付金を使って高齢者の移住策を打ち出そうとしていることだ。石破地方創生相はすでに「高齢者の地方住み替えを促進する」と発言し、16年度からモデル事業も始めるとしている。実際に、東京の高齢者が北海道に移住し介護施設に入ったら、その家族は東京から面会に行くことができるだろうか。具合が悪い時にすぐに駆けつけることができるだろうか。現実的とは思えない提言に、家族を介護した経験のある者として悲しくなってしまった。

 

(c)2001 Tokhoren.com. All rights reserved.