戦争が忍び寄るA 「政府の介入」

 2月8日の衆院予算委員会で高市早苗総務大臣が、政治的公平性が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して行政指導を行い、全く改善されず繰り返し放送した場合には、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じると発言したことが波紋を呼んでいます。
 総務大臣は放送事業者に対し放送免許の権限を持っています。戦前は政府の命令で放送禁止され、「大本営発表」という形で政府や軍に都合のよい情報のみが流され、国民は「洗脳」されていました。そのため1950年の放送法・電波法の施行と同時に「電波監理委員会」という独立行政委員会が設立されましたが、2年後に郵政省(現総務省)が放送局に免許を直接付与する制度に変えられてしまいました。今こそ表現の自由、番組編集の自由について、国民が真剣に考える必要があると言えるでしょう。
 18歳選挙権にともない高校生の政治活動、選挙活動について注目が集まっています。本来は生徒と教師の政治活動の自由が保障され、自由な議論が行われる中で、主権者として高校生が成長していくことが望まれますが、現実はどうでしょう。
 朝日新聞が全都道府県と政令指定都市を対象に調査したところ、宮城、愛知、香川の各県と大阪府、仙台市、堺市は、高校生が郊外で政治活動に参加する際に学校への届け出が不要です。しかし、多くの県で「各校が判断」「対応を検討中」としています。
 高校生の政治活動は当時の大学紛争の影響を背景に、1969年文部省通達で「一般に成人とは異なって、選挙権などの参政権を制限されており、また、将来、国家・社会の有為な形成者になるための教育を受けつつある立場にある」と、放課後・休日でも学校による規制が行われました。
 文科省は69年通達を廃止し、2015年に初等中等教育長通知を出し、「模擬選挙」の体験等を推奨しつつ、生徒による授業、生徒会活動、部活動を利用した選挙・政治活動は、「政治的中立性が確保されるよう、高等学校等は、これを禁止することが必要である」としています。放課後や休日でも学校内の選挙・政治活動は制限・禁止、学校外でも学業に支障がある等の場合は制限・禁止するとしています。学校(文部科学省)の考える「政治的中立性」が時の政府の恣意的な判断に影響されることのないよう、ここでも国民の議論が必要です。


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