なぜ「配偶者手当の縮小」が
 「女性の活躍」になるのか?! 

 厚生労働省「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」が2015年12月、16年2月、3月と3回にわたって開かれました。
 配偶者手当見直しの「動機」は、政府の「日本再興戦略2015」と同年の「一億総活躍社会実現」です。アベノミクス・成長戦略には労働力を増やす必要があり、生産年齢人口が低下しているもとで女性の就業率を上げるには、「邪魔な配偶者手当」をなくそうというのです。
 パートの女性労働者が、配偶者手当をもらえることや「103万円の壁(所得税の非課税限度額)、130万円の壁(配偶者の健康保険、厚生年金等の被扶養者から外れる)」を理由にそれを超えないような働き方をしているとして、配偶者手当を見直してもっと働いてもらおうと、検討会が開かれたのでした。
 「結論」は、配偶者手当が支払われてきた事情、従業員のニーズ、不利益を受ける労働者のモチベーションの問題、必要な経過措置等を考慮し、かつ、労働組合と十分話し合い合意すること、としており、一方的な見直しに批判的です。
 政府は昨年、人事院にも配偶者手当の見直しを要請しましたが、人事院は「時機尚早」として見直し勧告をしませんでした。しかし、2015年11月から「扶養手当の在り方に関する勉強会」を開始し、今年の勧告に反映させる模様です。
 人事院の「勉強会」3月7日では“賛否両論”がありました。「女性の活躍推進は、税制や手当等の制度の見直しのみによって達成されるものではなく、子育て環境の整備や、女性が働きやすい職場環境の整備などにも政府全体として積極的に取り組んでいく必要がある」という真っ当な意見がある一方で、「公務においても、扶養配偶者を有する職員の割合が中長期的に減少傾向にあることや、今後、社会全体として多様な働き方を推進していくということ、また、一部の民間企業で、従業員間の公平性の観点や次世代育成の重要性の高まりから配偶者手当の見直しが行われつつあることを考慮すれば、現時点で配偶者に係る手当の見直しを行うことには一定の意義があると言えるのではないか」と政府の代弁者のような意見がありました。
 見直しの方向は、給与原資を減少させないことを前提に、配偶者手当の縮小・廃止と他の扶養手当等への付け替えとなることが予想されます。
 女性の就業率向上と配偶者手当の縮小・廃止を関連付ける、短絡的な「安倍政治」の悪影響がここにも表れています。

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