戦争が忍び寄るB 「参院選と改憲」

 安倍首相は2月の国会で「憲法学者の7割が自衛隊は憲法違反の恐れ」と言っているから、その状況をなくして改憲すべきとする答弁を行った。世論調査では、「参院選で憲法改正に賛成する勢力が三分の二以上の議席を占める」ことに「賛成42%。反対45%」(TBS2月)と相半ばの状況だ。
 自民党は3月13日の党大会で、改憲について参院選で訴え、国民的議論と理解を深める運動方針を決定した。9条改憲をめざす民間団体「日本会議」は、「美しい日本の憲法をつくる1000万人署名」に取り組んでいる。
 一方、野党共闘を実現させた「市民連合」は、「戦争法廃止2000万署名」に取り組む。「市民連合」のシンポで、水島朝穂・早稲田大学教授は80年前に起きた軍事クーデター「2.26事件」に触れ、「軍の暴走を招いた経験から、後の首相らは背広組が制服組を統制する文官統制の仕組みを作った。現在防衛省内で制服組自衛官が権限移譲を要求する動きが出ている」と警鐘を鳴らした。
 参議院選挙は7月10日とも予測されており、同日選挙も噂されている。その前に沖縄県議選がある。安倍政権は辺野古新基地建設を巡って国と沖縄県が争っていた裁判で、3月4日裁判所の和解を突然受け入れ工事を中断した。地元紙の沖縄タイムスは社説で、国が基地建設をあきらめたわけではないが、「沖縄県にとって地方自治を守り、工事を止める点で重要な意味を持つ」と記した。しかし、安倍首相が和解成立したその日に「辺野古が唯一の選択肢」と述べたことに「あ然として二の句が継げない」と不快感を示し、県議選と参院選への関連を指摘した。
 消費税増税先送りの動きも参院選を睨んでだろう。わかりやすい誘導策に乗れば、改憲と「2.26事件」が待っていることになりかねない。


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