新所得連動返還型奨学金制度
「結婚して連帯保証人になってください」
を想定する「永久返還」型奨学金

 2017年度から始まる新所得連動返還型奨学金制度の制度設計が終了した。最後の「有識者会議(第12回)」を傍聴して、改めて新制度に疑問を感じている。
 大きな問題点は2点。
 第一に、機関保証によって保証料を引かれて奨学金を貸与されながら、結婚すると、配偶者が「連帯保証人」になる問題。
 文科省の資料によると、「返還者が被扶養者になった場合の収入の考え方」は、専業主婦(夫)になって、返還能力がない状況を自ら作り出すモラルハザードにならないように、「扶養者のマイナンバーの提出を求め、提出がありかつ返還者と扶養者の収入の合計が一定額を超えない場合のみ、新所得連動返還型による返還を認めることとする」。
 これでは、結婚するときに、「将来専業主婦(夫)になるかもしれないけれど、その時には連帯保証人になってね」と、結婚相手に承諾を得る必要が出てこないか。ますます結婚のハードルが高くなるように思えるのだが・・。
 第二に、「永久」に返還し続ける問題。
 文科省の資料にあるモデルケース(私立大学自宅生貸与月額54,000円)では、貸与総額は54,000円×12月×4年間=2,592,000円。収入ゼロでも2,000円ずつ返還しなければならない。すると108年間返し続けることになる。仮に、大学卒業時22歳として、返還猶予10年の後に返し始めるとしたら、140歳まで返し続ける「永久返還」型奨学金制度である。
 文科省が言う「将来の奨学金の返還については極力不安を取り除くことが重要」として導入される制度が、これほど不十分な制度でよいのだろうか。将来に希望が見えない制度になっているように思えて仕方がない。【機関紙編集部】


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